Vol.005 「某ベンチャー企業 ①」
おはようございます。ブラック企業戦士です。
自分は文系の学生だったので、会社員になるんならきっと営業職だろうなあ、と漠然と考えていました。もうかれこれ20年以上昔の話です。
大学4年生の夏休みなんですが、当時有名だった某ベンチャー企業でアルバイトをしてみることにしました。職種は「営業」。どんな世界がのぞいてやろうと思っていたので、当時破竹の勢いで業績をのばしていた企業を選んだのです。
研修という名のマニュアル読み上げ大会が1日で終わり、翌日より実践です。
社員教育は現場で行われるようです。朝から度肝を抜かれることとなりました。そうです。朝礼です。
社員が円陣を組み、ラガーマンのように「押忍」「押忍」と声をあげる光景はホラーでした。そのあと、支店長らしき方が何かを喋りだします。
「おい、今年の夏はあついなあ(支店長)」
「押忍!(全員で)」
「なんであついかわかるか?(支店長)」
「押忍!(全員で)」
「おい、s山、なんであついかいってみろ!(支店長)」
「押忍(s山さん)、エルニーニョであります!」
え? とも思ったのですが、s山さんは大真面目です。その瞬間支店長の怒号です。
「バカ野郎!」そして灰皿を投げつけ、s山さんに直撃します。
「s山、オマエは本当にわかってないなあ! 昨日社長がおっしゃってたよ、今年の夏があついのはなあ!」
「押忍!(全員で、s山さんも苦悶の表情で叫んでいます)」
「我が社が熱いからなんだよ!」
「押忍!(全員で連呼)」「押忍!(全員で連呼)」
僕は文系の学生でしたが、「営業」という職種を選ぶのはやめようと固く決心しました。まあ、その後、現職のブラックIT企業で働いているのですが…
恐ろしいことにこれも実話です。これもブラック企業の日常です…